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Win32/64:Blackbeard & Pigeon: Stealthiness techniques in 64-bit Windows, Part 1

At the turn of the year we started to observe a Trojan, not much discussed previously (with a brand new final payload). It has many interesting aspects: It possesses a complex structure containing both 32-bit and 64-bit code; it achieves its persistence with highly invasive methods; and it is robust enough to contain various payloads/functionalites. […]

?????????????????????????? Neverquest ?????????

最近、オンラインバンキングを狙う新しいトロイの木馬のことがメディアで報じられています。このトロイの木馬は、報道では Neverquest と呼ばれています。コンピュータが Neverquest に感染すると、特定のブラウザでオンラインバンキングの Web サイトを開いたときにコンテンツが改ざんされ、サイトに不正なフォームがインジェクトされます。そうなると、攻撃者はユーザーからログイン情報を盗み出せるようになり、さらには VNC(Virtual Network Computing)サーバーを利用して、侵入先のコンピュータを制御できるようにもなります。Neverquest は自身を複製するために、ログイン情報を盗み出して Neverquest ドロッパーをスパムで送りつけるか、FTP サーバーにアクセスして資格情報を取得したうえで Neutrino 悪用ツールキットによってマルウェアを拡散するか、またはソーシャルネットワークのログイン情報を取得して侵入先の Web サイトへのリンクを拡散します。
 
シマンテックがトロイの木馬 Neverquest を解析したところ、これはシマンテックが Snifula として検出するマルウェアグループの進化形であることがわかりました。Snifula が初めて出現したのは 2006 年のことですが、Neverquest のコードを解析した結果、Snifula グループの古いサンプル(Backdoor.Snifula.D)との類似点が確認されたのです。また、Snifula によって以前に使われていたことが判明しているネットワークのインフラは、Neverquest と密接に関係があることも確認されています。この新しい脅威に対しては、2013 年 4 月中頃に初めて確認されたときから、さまざまな汎用検出名ですでに保護対策が実施されています。その後、検出定義を分類化したので、現在この脅威は Trojan.Snifula として検出されます。
 
類似点
前述したように、Trojan.Snifula(通称 Neverquest)のコードには、Snifula グループの古いサンプルとの類似点が認められます。2 つの脅威の実行可能ファイルは、構造と機能こそ異なっているものの独特なコードの一部を共有しており、そこに両者の関連性が見て取れます。たとえば以下の画像を見ると、8 バイトのデータをネットワーク上に送信するコードがあり、そのうち最初の 4 バイトに「26A6E848」という特殊なマーカーが含まれていることがわかります。
 
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図 1. Trojan.Snifula(Neverquest)でネットワークトラフィックを送信するコード
 
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図 2. Backdoor.Snifula.D で使われている図 1 と同じコード
 
コードはほぼ同一で、マーカーも共通です。つまり、このコードは一般に入手できるソースから採用されたものではないことになります。もちろん類似点はこれだけではなく、ほかにも多くの共通点を見出すことができます。
 
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図 3. Trojan.Snifula(Neverquest)で現在のプロセス ID を記録するコード
 
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図 4. Backdoor.Snifula.D の同じコード
 
このコードは、悪質なプロセス ID を現在時刻とともにログに記録します。コードも文字列も 2 つの脅威で同一であり、CRC アルゴリズムと Aplib アルゴリズム、そしていくつかの共通の文字列が使われています。
 
コマンド & コントロールのインフラ
シマンテックは、Trojan.Snifula(Neverquest)で使われているコマンド & コントロール(C&C)ネットワークのインフラを調べて、両者の間に関連性の手掛かりがあることも解明しています。Trojan.Snifula は、C&C サーバーとして IP アドレス 195.191.56.245 を使っていました。その IP アドレスでホストされていることがわかっているドメインは 2 つしかなく、その 1 つが FyXqgFxUmihXClZo.org です。このドメインは Aster Ltd が所有していることがわかっており、Aster Ltd が所有しているドメインは、以下の 26 個であることも確認されています。
  • accman.com.tw
  • afg.com.tw
  • amosw.com.tw
  • aster.net
  • asterdon.ru
  • asterltd.com
  • astervent.ru
  • bestsid.com.tw
  • countdown.com.tw
  • durpal.com.tw
  • facestat.com.tw
  • fforward.com.tw
  • fyxqgfxumihxclzo.org
  • geobiz.net
  • makumazna.com.tw
  • maskima.com.tw
  • maxward.com.tw
  • miison.com.tw
  • mssa.com.tw
  • parti.com.tw
  • pluss.com.tw
  • sparkys3.com
  • sparkys3.net
  • tdaster.ru
  • thehomeofficecatalogue.net
  • thehomeofficecatalogue.org
 
Aster Ltd のドメインのうち Pluss.com.tw と Countdown.com.tw は、IP アドレス 195.210.47.173 でホストされています。シマンテックは 2013 年の 2 月と 3 月に、Backdoor.Snifula.D で使われたアクティブな C&C サーバーとこの IP アドレスとの関連性を特定しています。Sparkys3.net や Facestat.com.tw など、Aster Ltd が所有するその他のドメインは、IP アドレス 195.137.188.59 でホストされており、これも Trojan.Snifula の C&C サーバーが使う IP アドレスとして確認されているものです。
 
Snifula グループ
シマンテックは、過去数年間で Snifula グループのさまざまな新種を確認しています。今回の Trojan.Snifula は、さらに高度な技術を利用して成長しており、情報を盗み出しますが、その出現は Snifula グループの歴史上、予測された進化です。Snifula グループが何年も掛けて進化し成長してきたことから、このマルウェアが今すぐ脅威を取り巻く世界から姿を消すとは考えられません。
 
この脅威から保護するために、シマンテックは以下の侵入防止システム(IPS)シグネチャを提供しています。
  • System Infected: Trojan.Snifula Activity
 
シマンテックは、この脅威に対して最善の保護対策を提供できるように、今後も Snifula グループの監視を続けます。このような攻撃から保護するために、ノートン インターネットセキュリティSymantec Endpoint Protection を使用することをお勧めします。
 
 
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Dangerous New Banking Trojan Neverquest Is an Evolution of an Older Threat

There has been recent media coverage around a new online banking Trojan, publicly known as Neverquest. Once Neverquest infects a computer, the malware can modify content on banking websites opened in certain Internet browsers and can inject rogue forms…

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シマンテックは、「複数の一太郎製品に存在する不解決のリモートコード実行の脆弱性」(CVE-2013-5990)として知られる一太郎の新しいゼロデイ脆弱性について、以前ブログでお伝えしました。この時点では、この脆弱性が盛んに悪用されていることは確認されたものの、うまく機能せず実際にコンピュータへの侵入はありませんでした。その 1 週間後、シマンテックは、攻撃者の意図どおりに動作する悪用コードを複数のインシデントで確認しました。この悪用コードは、標的型攻撃でよく使われているバックドアを利用して、標的のコンピュータに実際に侵入することが可能です。脆弱性の悪用に使われているファイルは、以前の攻撃と同じくリッチテキスト形式で、ジャストシステム社が開発したワープロソフトウェア「一太郎」が標的になっています。
 
悪用が不首尾に終わった前回の攻撃では、悪質な文書に Backdoor.Vidgrab の亜種とシェルコードが埋め込まれていました。このときのサンプルの場合、シマンテックのテスト環境では、シェルコードはバックドアを投下することができませんでした。今回の悪質な文書ファイルには、Backdoor.KorplugBackdoor.Misdat、および Trojan Horse として検出される各種のマルウェアを投下するシェルコードが含まれています。投下されるのはいずれも、標的型攻撃でおなじみのバックドア型のトロイの木馬です。Backdoor.Korplug は 2012 年に出現して以来、標的型攻撃で頻繁に使われています。Backdoor.Misdat は 2011 年、米国や日本に拠点を置く組織が狙われたときに主として確認されましたが、最近の攻撃ではあまり使われていません。
 
ペイロードとして Backdoor.Vidgrab を使い続けていたうちは悪用の試みに失敗していましたが、その後は戦術を変えて各種のバックドアを使うようになり、悪用に成功するようになっています。また、シマンテックは、今回標的が広がってより多くの組織が狙われるようになっていることも確認しています。このことから、攻撃者はテスト運用を行って悪用の成否を確かめる段階を終え、いよいよ一太郎の脆弱性を悪用して実害のある攻撃を仕掛ける段階に入ったのではないかと考えられます。さらに、一太郎の脆弱性を悪用した攻撃を仕掛けるためのツールキットを他の攻撃者と共有し始めている可能性もあります。いずれにしても、この脆弱性を悪用する攻撃が増加していることは確かであり、一太郎をお使いのユーザーはこれらの攻撃に警戒する必要があります。
 
ただし、脆弱性の悪用に成功している攻撃が複数見つかったとしても、一太郎ユーザーが大騒ぎする必要はありません。この脆弱性に対するパッチはすでに公開されており、ダウンロードできるようになっています。まだこのパッチを適用していない場合には、ただちにパッチを適用してください。シマンテックは、今回説明した悪質なリッチテキストファイルを Trojan.Mdropper として検出します。
 
 
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Ichitaro Vulnerability Successfully Exploited in the Wild

In a previous blog, Symantec reported a new Ichitaro zero-day vulnerability known as the Multiple Ichitaro Products Unspecified Remote Code Execution Vulnerability (CVE-2013-5990). This flaw was being actively exploited in the wild, but the exploit was…

?? Facebook ??????????????????????

      No Comments on ?? Facebook ??????????????????????
寄稿: Daniel Regalado Arias
 
フィッシング詐欺師は、フィッシングの餌に目新しさを加えるために偽のアプリケーションを導入することがよくあります。フィッシング詐欺で使われている、ある新しい偽アプリを調べてみることにしましょう。この事例でも詐欺師はログイン情報を盗み出そうとしていましたが、データ窃盗の手段として、フィッシングの餌だけではなくユーザーの個人情報を収集するマルウェアも使われていました。フィッシングサイトは Facebook のログインページに偽装しており、無料の Web ホスティングサイトをホストとして利用していました。
 
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図 1: Facebook ログインページの外観と同じように見せかけているフィッシングサイト。
 

サイトでは、このアプリケーションを使えば自分のプロフィールページにアクセスしたユーザーのリストを閲覧できると謳っています。アプリを起動するには、ソフトウェアをダウンロードする方法と、ユーザーのログイン情報を入力して Facebook にログインする方法の 2 つがあると説明されていますが、アプリはもちろん偽であり、ダウンロードするソフトウェアにはマルウェアが仕掛けられています。フィッシングページのメッセージで推奨されているのは、ソフトウェアをダウンロードする方法です。謳い文句によると、誰かが Facebook のプロフィールにアクセスするたびに通知が送られてくることになっています。ダウンロードボタンをクリックすると、ファイルダウンロードのプロンプトが表示されます。このファイルには悪質なコンテンツが含まれており、シマンテックはこれを Infostealer として検出します。一方、ユーザーのログイン情報を入力した場合には、フィッシングサイトから正規の Facebook にリダイレクトします。

 

シマンテックはこのマルウェアを解析し、以下のように動作することを突き止めました。

  1. マルウェアは 2 つの実行可能ファイルで構成され、どちらも同じ処理を実行する。
  2. ファイルはレジストリの run キーに追加され、再起動のたびに実行される。
  3. マルウェアはキーロガーを仕掛け、被害者の入力をすべて追跡しようとする。
  4. 次に、www.google.com に ping を送ってインターネット接続があるかどうかを確認する。接続がある場合、マルウェアは収集したすべての情報を攻撃の電子メールアドレスに送信する。
  5. シマンテックが確認したところ、このアドレスは 3 カ月前から無効になっているため、マルウェアは現在、攻撃者に更新情報を送信できない状態である。

この手口に乗ってログイン情報を入力したユーザーは、個人情報を盗まれ、なりすまし犯罪に使われてしまいます。

 

インターネットを利用する場合は、フィッシング攻撃を防ぐためにできる限りの対策を講じることを推奨します。

  • アカウントにログインするとき、アドレスバーの URL を確認し、間違いなく目的の Web サイトのアドレスであることを確かめる。
  • 電子メールメッセージ中の疑わしいリンクはクリックしない。
  • 電子メールに返信するときに個人情報を記述しない。
  • ポップアップページやポップアップウィンドウに個人情報を入力しない。
  • 個人情報や口座情報を入力する際には、鍵マーク(画像やアイコン)、「https」の文字、緑色のアドレスバーなどが使われていることを確かめ、その Web サイトが SSL 証明書で暗号化されていることを確認する。
  • ノートン インターネットセキュリティまたはノートン 360 など、フィッシング詐欺やソーシャルネットワーク詐欺を防止する総合的なセキュリティソフトウェアを使う。
  • 電子メールで送られてきたリンクや、ソーシャルネットワークに掲載されているリンクがどんなに魅力的でも不用意にクリックしない。

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Phishers Use Malware in Fake Facebook App

Contributor: Daniel Regalado Arias
 
Phishers frequently introduce bogus applications to add new flavor into their phishing baits. Let’s have a look at a new fake app that phishers are leveraging. In this particular scam, phishers were tryin…

ZeroAccess ?????????

      No Comments on ZeroAccess ?????????

ZeroAccess ボットネットは、今なお活動中であることが広く知られているボットネットのひとつで、シマンテックが 2013 年 8 月に観測した時点では、1 日当たり 190 万台以上のコンピュータが影響されています。ZeroAccess ボットネットの大きな特徴は、P2P のコマンド & コントロール(C&C)通信アーキテクチャを使っていることです。これにより、ZeroAccess は高い可用性と冗長性を備えています。中央の C&C サーバーが存在しないため、攻撃に使われている一連のサーバーを無効化しても、それだけでボットネットを停止に追い込むことはできません。ZeroAccess に感染したコンピュータは、まず多数のピアに接続して、既知の P2P ネットワークの他のピアに関する情報を交換します。これでボットは他のピアを認識するようになり、ネットワークを通じて迅速かつ効率的に命令やファイルを拡散できるようになります。ZeroAccess ボットネットでは、ピア間で常に通信が行われています。各ピアが絶えず他のピアに接続してピアリストを交換し、ファイルの更新を確認しているので、停止の試みに対して非常に強い耐性を示します。

ボットネットをシンクホールに捕捉
今年の 3 月、シマンテックのエンジニアは ZeroAccess ボットが相互に通信するメカニズムを詳しく研究して、どうすれば ZeroAccess をシンクホールに捕捉できるかを確認しました。その過程で、ある弱点を利用すればボットネットをシンクホールに捕捉することが、困難ではあるものの可能であることがわかりました。管理ラボでさらにテストを重ねたところ、ボットマスターからピアを解放する現実的な方法を見つけました。この間もシマンテックはボットネットの監視を続け、6 月 29 日には P2P ネットワークを通じて ZeroAccess の新しい亜種が拡散していることを発見します。更新された亜種には多くの変更点がありましたが、特に重要なのは、シンクホールによる捕捉に対して脆弱であるという設計上の欠陥に対処するよう変更されていたことです。ZeroAccess の P2P メカニズムの弱点については、2013 年 5 月に発表されたレポートで研究者が解説しています。シンクホールによる捕捉の試みに対抗できるようなアップグレードを ZeroAccess ボットマスターが急いだのは、そのレポートがきっかけになった可能性があります。
 
こうした変化が確認され始め、現実性のある計画が整えば、もう選択の余地はありませんでした。今すぐに作戦を開始しなければ計画そのものが台無しになります。7 月 16 日には、ZeroAccess ボットのシンクホールでの捕捉を開始しました。効果はすぐに現れて 50 万以上のボットが分離され、ボットマスターによって制御されているボットの数は大幅に減少しました。シマンテックのテストでは、新しい ZeroAccess ボットをシンクホールに捕捉するまでの P2P 活動は平均わずか 5 分ほどでした。このことの潜在的な影響を理解するには、ZeroAccess ボットネットの利用目的を考える必要があります。
 
ZeroAccess: ペイロード配信機能
その構造と動作を考えると、ZeroAccess は侵入先のコンピュータにペイロードを配信することを最大の目的として設計されているようです。ZeroAccess ボットネットでは、(攻撃者の視点に立つと)生産的な活動は、侵入先のコンピュータにダウンロードされるペイロードによって実行されます。ペイロードは最終的に 2 つの基本タイプに分類されますが、いずれも営利目的である点に変わりはありません。
 
クリック詐欺
シマンテックが確認したペイロードのタイプのひとつは、クリック詐欺型のトロイの木馬です。このトロイの木馬はオンライン広告をコンピュータにダウンロードし、正規ユーザーによって生成されたように見せかけた偽のクリックを生成します。この偽クリックがカウントされて、ペイパークリック(PPC)によるアフィリエイト方式の支払い対象になります。
 
Bitcoin マイニング
仮想通貨には、サイバー犯罪者にとって多くの魅力があります。各 Bitcoin は、コンピューティングハードウェアに対する「マイニング」という数学的な処理を実行することに基づいて成立しています。この活動が、ボットマスターにとっては直接の価値を持ち、何も知らない被害者に損害をもたらします。シマンテックは、ラボで旧式のコンピュータを使って、この活動の経済的な側面や影響を詳しく調べました。
 
ZeroAccess の経済的側面
好奇心から、オフィスにころがっていた古いハードウェアを何台か使って、ZeroAccess ボットネットが電力消費の点でどのような影響を及ぼすかをテストし、その活動の経済的な側面を確認しました。クリック詐欺と Bitcoin マイニングのどちらも調べましたが、特に重視したのは Bitcoin マイニングです。ボットで最も盛んに実行されている活動だと考えられ、ボットマスターにとって直接の経済的な価値をもたらしているからです。テスト用のコンピュータに ZeroAccess を感染させてから Bitcoin マイニングを設定し、それとは別にアイドル状態にできる正常な制御用コンピュータも用意しました。コンピュータは、消費電力量を測定するために電力メーターに接続します。テストの結果、興味深い測定値が得られました。
 
テストコンピュータの仕様:
モデル: Dell OptiPlex GX620 Pentium D 945 3.4GHz 2GB(最大 TDP 95W)
測定された消費電力/時間: 136.25 W(マイニング中)
測定された消費電力/時間: 60.41 W(アイドル時)
MHash/秒: 1.5
 
Bitcoin については以下の条件を想定:
Bitcoin/米ドル交換レート: 131
Bitcoin 難易度係数: 86933017.7712
 
Bitcoin マイニング
Bitcoin マイニングは、その仕組みから 1 台のコンピュータだけで運用しても、常に無益に終わる可能性がありました。この仕組みを丸 1 年続けても儲けは 0.41 ドルにしかならないからです。しかし、190 万台のボットを利用できるとなれば計算は大きく変わり、ボットネットによって 1 日何千ドルも稼ぎ出せる可能性があります。もちろん、毎日 1 日中すべてのコンピュータを利用できるわけではなく、ボットネット上のコンピュータは性能レベル、読み込み時間、稼働時間がそれぞれ異なるため、この金額は大雑把な概算にすぎません。この概算では、すべてのボットが 1 日 24 時間稼働し、各ボットがシマンテックのテスト用コンピュータと同じ仕様であると仮定しています。
 
クリック詐欺
クリック詐欺を実行するボットは、非常に活動的です。テストでは、各ボットが毎時間 257MB のネットワークトラフィック、つまり 1 日当たり 6.1GB のトラフィックを発生させました。また、1 時間当たりに生成される偽の広告クリックは 42 件でした(1 日当たり 1,008 件)。1 回のクリックで支払われるのが 1 セント、あるいは何分の 1 セントかであっても、感染したコンピュータが 190 万台あれば、攻撃者は 1 年間で何千万ドルも稼いでいる可能性があることになります。
 
こうした活動が秘めている価値がわかったところで、このようなボットネットを運用する際のコストを電気料金の観点で見てみましょう。
 
電力コスト
ZeroAccess が何も知らない被害者に負担させるコストを割り出すために、Bitcoin マイニング実行時のコストと、コンピュータのアイドル時のコストの差異を計算します。このテスト環境では、1 日当たり 1.82KWh の追加となり、被害者 1 人当たりに掛かるコストとしてはそれほど大きくありません。
 
マイニング時の消費電力: (136.25/1000)*24 = 3.27 KWh/日
アイドル時の消費電力: (60.41/1000)*24 = 1.45 KWh/日
差異: 1.82 KWh/日
 
これらの数字から、ZeroAccess に感染したコンピュータ 1 台で Bitcoin マイニングに必要な追加の電力がわかります。この数字を 190 万のボットに広げてみると、ボットネット全体に対して予想される合計コストと影響がわかってきます。
 
KWh 当たりの電気料金が 0.162 ドルだとすれば、1 台のボットで 24 時間マイニングを続けるコストは 0.29 ドル程度です。しかし、この数字にボットネット全体の 190 万を掛けると、電力消費量は 3,458,000 KWh(3,458 MWh、毎日 111,000 世帯に電力を供給しても余力があります)にも達します。この電力量は、カリフォルニア州モスランディングにある最大の発電所の出力(2,484 MW、1 日当たりの電気料金 560,887 ドル)よりもかなり多い量です。これほどのコストを掛けても、この電力すべてを使って得られる 1 日当たりの Bitcoin は 2,165 ドルにすぎません。このような金額と照らし合わせて考えると、もし自分で支払わなければならないとしたら、このような環境で Bitcoin マイニングを実行するのは経済的ではありません。しかし、他人の支出で Bitcoin マイニングを実行できるのであれば話はまったく変わり、実に魅力的な儲け話になります。
 
P2P ボットネットの停止は困難だが不可能ではない
今回の事例から、ZeroAccess の P2P アーキテクチャにどれほど回復力があっても、ボットの大部分をシンクホールに捕捉できることが判明しました。つまり、これらのボットは、ボットマスターからコマンドを受信できなくなり、コマンドの拡散にも金銭獲得手法の更新や追加にも、ボットネットでは使えなくなっているということです。
 
その一方で、シマンテックは全世界の ISP や CERT と協力して、情報共有や感染したコンピュータの感染除去に尽力しています。
 
詳細情報
シマンテックのロス・ギブ(Ross Gibb)とヴィクラム・タクール(Vikram Thakur)が、2013 年 10 月 2 日 から 4 日に掛けて開催される Virus Bulletin カンファレンスで、この作戦の成果について発表する予定です。また、ZeroAccess の内部的な詳細を解説したホワイトペーパーも、このプレゼンテーションと同時に公開されます。
 
ZeroAccess Trojan に関する主な事実と数値をまとめた解説図も用意しました。
 
zeroaccess_blog_infographic.png
 

 

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Grappling with the ZeroAccess Botnet

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The ZeroAccess botnet is one of the largest known botnets in existence today with a population upwards of 1.9 million computers, on any given day, as observed by Symantec in August 2013. A key feature of the ZeroAccess botnet is its use of a peer-to-pe…

Win32/64:Napolar: New Trojan shines on the cyber crime-scene

In recent weeks, malware samples resolved as Win32/64:Napolar from AVAST’s name pools generated a lot of hits within our file and network shields. Independently, we observed an advertising campaign of a new Trojan dubbed Solarbot that started around May 2013. This campaign did not run through shady hacking forums as we are used to, but […]