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ゼロデイ脆弱性を悪用する水飲み場型攻撃が、さらに広がりつつあります。シマンテックは先週、Internet Explorer 10 のゼロデイ脆弱性が水飲み場型攻撃に悪用されていることをお伝えしましたが、それからちょうど 1 週間後、今度は Adobe Flash Player と Adobe AIR に存在するリモートコード実行の脆弱性(CVE-2014-0502)が、やはり水飲み場型攻撃で悪用されていることが確認されました。この新しい攻撃は、さまざまなメディアで「Operation GreedyWonk」と呼ばれており、3 つの NPO 団体の Web サイトを標的にしていると報じられています。シマンテックの遠隔測定によると、新しいゼロデイ脆弱性を悪用するこの水飲み場型攻撃では、ほかにも多くのサイトが標的になっていることが判明しました。
図 1. Adobe Flash のゼロデイ脆弱性を悪用する水飲み場型攻撃
攻撃の手口
今回の攻撃に使われているのも、水飲み場型攻撃として知られる手法です。被害者がアクセスした Web サイトは、標的を別の Web サイト(giftserv.hopto.org)にリダイレクトするために攻撃者によって侵害され、iframe が仕込まれています。リダイレクト先のサイトでは悪質な index.php ファイル(Trojan.Malscript)が読み込まれ、このファイルによって標的のシステムが 32 ビットか 64 ビットかが判定されます。この判定結果に応じて、攻撃者のサーバーにホストされている 32 ビットまたは 64 ビットのいずれかのフォルダから、悪質な index.html ファイル(これも Trojan.Malscript として検出されます)と追加コンポーネントがダウンロードされます。悪質な index.html は次に cc.swf という Adobe Flash ファイル(Trojan.Swifi)を読み込み、これにゼロデイ脆弱性が存在します。悪用に成功すると、暗号化されたシェルコードを含む logo.gif という画像ファイルがダウンロードされ、このシェルコードによって悪質なペイロード server.exe(Backdoor.Jolob)がダウンロードされ実行されます。
今回の攻撃に対する防止策と緩和策
インストールされている Adobe 製品を最新バージョンに更新して、この脆弱性に緊急に対処することをお勧めします。ソフトウェアのアップグレード方法について詳しくは、Adobe Security Bulletin を参照してください。
シマンテック製品をお使いのお客様は、以下の検出定義によって今回のゼロデイ攻撃から保護されています。
ウイルス対策
- Trojan.Malscript
- Trojan.Maljava
- Backdoor.Jolob
- Trojan.Swifi
- Trojan Horse
- Backdoor.Korplug
- Backdoor.Darkmoon
- Downloader
- Trojan.Gen.2
- Trojan.Gen.3
- WS.Malware.2
侵入防止シグネチャ
また、いつものことですが、このような攻撃から保護するために、シマンテックの最新技術をお使いいただき、シマンテックのコンシューマ向けまたはエンタープライズ向けの最新ソリューションを導入してください。
衰えを見せない水飲み場型攻撃
水飲み場型攻撃が、特定の個人を標的にした攻撃者の間で多用され続けていることは、今回の事例からも明らかです。ゼロデイ脆弱性が次々と悪用されていることを考えると、攻撃者が使える武器は無尽蔵とも言えます。複数の Web サイトで Adobe Flash のこの脆弱性が確認されていますが、送信されているペイロードはそのすべてで異なります。今回のゼロデイ悪用コードが多くの攻撃者に販売されている可能性や、あるいは単独の攻撃者が複数の攻撃キャンペーンを仕掛けている可能性があります。シマンテックは、最善の保護対策を提供できるように、この攻撃の調査を続ける予定です。
図 2. 水飲み場型攻撃の手口
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