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ポール・ウォーカーさんが交通事故で亡くなったのは、ほんの数カ月前のことです。最近では、スパマーやマルウェア作成者が有名人の死亡記事を悪用してマルウェアを拡散する手口が多用されています。今回の場合、始まりはポール・ウォーカーさんの車が炎上している動画へのリンクを記載した電子メールですが、そこには悪質なファイルへのリンクが含まれています。
最近大量に確認されている電子メールの場合、送信者は、ウォーカーさんとカーレースをしていたとされているダッジバイパー GT を発見しようと訴えています。この電子メールでは、情報を持っていたらそこに書かれた番号に電話するように、そうでなければ添付されているファイルを開いてバイパー GT の運転手の画像を確認するよう求めます。シマンテックが確認したどのサンプルでも、バイパー GT の運転手の特定につながった場合に費用の精算や報奨金が約束されている点は同じです。
今回の攻撃の特徴は、スパムフィルタをすり抜けるために件名と本文が定期的に書き換えられている点にあります。攻撃者は、本文や件名、添付ファイルの名前に受信者の名前を使って、電子メールを特定の個人宛てのものに見せようとしているのです。
実行可能ファイルはそれぞれ、送信先の電子メールアドレス専用に作成され、送信の直前にコンパイルされています。送信者の電子メールアドレスは必ず aol.com の電子メールアカウントであり、ハッキングまたは他の方法で危殆化したもののようです。これに感染してしまうと、アドレス帳からアドレスが収集されて、さらに別の個人宛ての電子メール攻撃が連続します。
図 1. 悪質なファイルが添付されている、ポール・ウォーカーさんの死亡記事を悪用した電子メール(2014 年 1 月 30 日付)
図 2. 悪質なファイルが添付されている、ポール・ウォーカーさんの死亡記事を悪用した電子メール(2014 年 1 月 31 日付)
悪質なファイルを実行すると、このファイルを実行するには 32 ビットまたは 64 ビットのコンピュータが必要であるというエラー通知が送信されます。また、ファイルを実行する十分な権限がないとも書かれていますが、実際にはマルウェアがバックグラウンドで実行され続けています。このトロイの木馬は、名前の似たドメインのリストを使った DNS クエリーを実行し、DNS クエリーの戻り値を取得すると、その URL に接続して、次のディレクトリにファイルをダウンロードします。
“%UserProfile%\Application Data\amhldfbyjmg\kskzjmtypb.exe”
ファイル(kskzjmtypb.exe)がダウンロードされると、それを実行して p9p-i.geo.vip.bf1.yahoo.com に接続し、今度は qr1aon1tn.exe をダウンロードします。この実行可能ファイルが実行されると、次のファイルが投下されます。
“%UserProfile%\Application Data\amhldfbyjmg\fdxeuzv.exe”
シマンテックは、このマルウェアを Trojan Horse として検出します。
今後も詐欺メールには十分に警戒し、以下の基本的なセキュリティ対策(ベストプラクティス)に従うことをお勧めします。
- 迷惑メールや予想外のメール、疑わしいメールを受信した場合には注意する。
- 迷惑メールや予想外のメール、疑わしいメールに記載されているリンクはクリックしない。
- 迷惑メールや予想外のメール、疑わしいメールに添付されているファイルは開かない。
- セキュリティソフトウェアを常に最新の状態に保つ。
- スパム対策シグネチャを定期的に更新する。
シマンテックでは、最新の脅威に関する最新の情報をお届けできるよう、常時スパムの監視を続けています。
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